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公認会計士試験と簿記1級の範囲を比較【よく出題される範囲も比較】

公認会計士試験を目指すか悩んでいる大学生「公認会計士を目指そうかと思うんだが、簿記1級とは何が違うんだろう?公認会計士試験と簿記1級の範囲の違いが知りたい。

 

この記事ではこういった疑問に答えます。

 

こんな人向けの記事です

公認会計士試験と簿記1級試験の範囲の違いが知りたい人

公認会計士試験と簿記1級試験の難易度の違いが知りたい人

この記事の信頼性

この記事の筆者は、2年の勉強期間で公認会計士試験に合格しています。

公認会計士試験と簿記1級の範囲①それぞれの科目

まずは両試験の科目を説明します。科目は以下です。

 

公認会計士試験の科目

・財務会計論

・管理会計論

・監査論

・企業法

・租税法

・選択科目

この6科目です。公認会計士試験は会計だけでなく、法律や税法、監査についての科目もあります。

 

簿記1級試験の科目

・商業簿記

・会計学

・工業簿記

・原価計算

簿記1級は上記の、商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4科目で構成されています。ただ、科目は4科目もあるように見えますが、実際は商業簿記と会計学、工業簿記と原価計算はそれぞれほとんど同じ科目なので、実質的には2科目と考えていただいて大丈夫です。

 

この2科目は公認会計士試験でいう財務会計論(=商業簿記)、管理会計論(=工業簿記)と同じ科目です。

 

つまり、簿記1級は商業簿記と工業簿記の2科目、公認会計士試験はその2科目プラス4科目で構成されています。ですので、試験全体の範囲の広さでいったら公認会計士試験の方が圧倒的に広いです。

 

のちほど詳しく説明しますが、公認会計士試験は合格まで3000~5000時間、簿記1級は800~1000時間ほどと言われているので、単純比較で、公認会計士試験は簿記1級の3~5倍の範囲の広さがあります。

 

では、公認会計士試験の財務会計論・管理会計論と、簿記1級の商業簿記・工業簿記は科目としては同じと言いましたが、この2科目の範囲に違いはあるのでしょうか?それを次で詳しく説明していきます。

公認会計士試験と簿記1級の範囲②試験範囲を比較

ここまでで試験全体の範囲の広さについて説明しましたので、ここからは公認会計士試験の財務会計論・管理会計論と、簿記1級の商業簿記・工業簿記の範囲を比較していきます。

それぞれの範囲

まずは、公認会計士試験の財務会計論・管理会計論と、簿記1級の商業簿記・工業簿記の範囲を説明します。

 

公認会計士試験の財務会計論・管理会計論の範囲

以下の公認会計士・監査審査会のHPで公式に発表されています。

https://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/hani3-a.html

 

簿記1級の商業簿記・工業簿記の範囲

以下の商工会議所HPの出題区分表にて公式に発表されています(ちょっとわかりにくいですが、簿記2・3級に記載されているものも、簿記1級の範囲には含まれます)。

出題区分表

 

ご覧になっていただけたでしょうか?見たらわかることなのですが、どちらの試験も大量に試験範囲となる論点が記載されており、正直よくわからないと思います。

 

ですので、一言で説明します。

 

公認会計士試験も簿記1級も現在公表されている会計基準等全てが範囲に含まれており、その試験範囲は変わりません!公認会計士試験の財務会計論・管理会計論と、簿記1級の商業簿記・工業簿記の範囲は同じです!

 

「じゃあ、簿記1級に合格できれば公認会計士試験の会計科目も解けるようになるの?難易度も全く同じなの?」

と思う方もいらっしゃると思いますので、そこを以下で詳しく説明していきます。

 

ただ、先に結論から言っておきます。両試験の範囲は同じですが、よく出題される論点、出題される問題の難易度には大きく差があります!

よく出題される範囲

両試験の範囲は同じと上で説明しましたが、ここでは、その範囲の中での出題傾向の違いを説明します。

 

それは以下です。

公認会計士試験の出題傾向

・計算 減損、リース、退職給付債務など複雑な論点からよく出題される。商品売買や会計帳簿の読み方など初歩的な問題はあまり出題されない。

・理論 どの論点についても会計基準だけでなく、適用指針・実務指針などの難しい論点の問題まで出題される。また基準についてだけでなく、現行の会計基準等の背景にある会計についての考え方まで問われる。

 

簿記1級の出題傾向

・計算 減損、リース、退職給付債務など複雑な論点からも出題されるが、公認会計士試験ほど難しい問題は出ない。また、商品売買や会計帳簿の読み方など初歩的な問題も出題される。

・理論 どの論点についても基本的な部分を問う問題が出題される。

 

この様になっています。

 

一言で言ってしまえば、公認会計士試験と簿記1級は範囲は同じだけど、圧倒的に公認会計士試験の方が問題の難易度が高い。特に差があるのが理論問題。また、計算についても、簿記1級では基礎的な論点にかかる問題も出題されるが、公認会計士試験では基礎的な論点の問題はほとんど出題されない。という感じです。

 

しかも、それは公認会計士短答式試験(1次試験)と比較したときの話です。公認会計士論文式試験(2次試験)では、計算・理論共にさらに難易度が上がりますので、簿記1級との難易度の差はさらに広がります。

公認会計士試験は簿記1級を取得してから勉強を始めるべき?

ここで、「公認会計士試験を受ける前に簿記1級は取るべき?」という疑問にお答えします。

 

はっきり言いますが、答えはNO。公認会計士試験を受ける決心が固まっているのであれば、簿記1級は受ける必要はありません。その理由は以下です。

理由① 簿記1級には簿記1級でよく出題される範囲があるが、それは公認会計士試験にはあまり出ないので、回り道になってしまう。

※基礎的な仕訳を問う問題や本支店会計などがこれに該当。

理由② 公認会計士試験の方が難易度は高いので、公認会計士試験の勉強をしていれば簿記1級に合格できる実力が付く。

 

この様な理由です。ですので、簿記1級を取るのであれば、公認会計士試験の勉強を始める前に取るのではなく、公認会計士試験の勉強を進めた後に、力試しや、就職活動のために取る。と言うのがおすすめです。本気で公認会計士試験の勉強をした方であれば、簿記1級は問題なく取れると思うからです。

公認会計士試験と簿記1級の範囲③それぞれの難易度、勉強時間

ここでは、公認会計士試験と簿記1級の難易度、勉強時間を比較します。どちらも公認会計士試験と簿記1級だけでなく、他の資格も含めて比較していきます。

 

難易度

※この偏差値は当サイト独自の調査によるものです。偏差値は調査の度に変動する可能性があります。

資格 偏差値 合格までの平均勉強期間
司法試験 75 3~5年
国家公務員総合職 74 1~1.5年
公認会計士 74 2~3年
税理士 74 3~5年
弁理士 73 2~3年
司法書士 72 1~3年
不動産鑑定士 68 1.5~2年
中小企業診断士 64 1~1.5年
日商簿記1級 64 0.5~1.5年
一級建築士 63 0.5~1.5年
社労士 62  0.5~1.5年
電気主任技術者(電験1種) 61  0.5~1.5年
気象予報士 61  0.5~1.5年
行政書士 60  0.5~1年
FP1級 58  0.5~1年
保育士 57 1~2か月
宅建士 56 4~8か月
日商簿記2級 56 4~8か月
日商簿記3級 45 1~2か月

こんな感じです。公認会計士はやはり日本最高峰の国家資格、簿記1級は公認会計士試験ほどではないですが、難関国家資格に匹敵する難易度があるというのが分かると思います。

 

勉強時間

各資格の合格までの勉強時間は以下です。

簿記3級 50時間

簿記2級 200時間

簿記1級 500~800時間

公認会計士 3000~5000時間

税理士 3000~5000時間

社会保険労務士 1000~1500時間

気象予報士 1000~1500時間

司法書士 2000~3000時間

弁護士 6000~8000時間

東大合格 6000~8000時間

ちなみに、簿記1級の500~800時間と言う勉強時間は上記の簿記2,3級の勉強時間を含んでいません。ですので、簿記3級から勉強を始める方は、合計で750~1050時間ほどの勉強時間がかかると思います。

 

こんな感じです。

やはり、偏差値や難易度で比較しても公認会計士試験と簿記1級には大きく差があると思います。両試験の会計についての範囲は同じですが、難易度には大きな差があるということの裏付けになっていると思います。

 

ただ、上記でわかるように、簿記1級は他の資格と比べて合格までの勉強時間はそれほど多くありません。でも世間では難関国家資格と同等に評価されます(転職の際など)。ですので私は簿記1級はとてもコスパの良い資格だと思っています!資格を取って転職することを目指している方にはとてもおすすめの資格です!

 

簿記1級の短期合格の方法などは以下の記事にまとめてますので、よかったら参考にしてください。

簿記1級合格までの最短の勉強時間【短期合格の方法も解説】

簿記1級の合格までの勉強時間を知りたい人向け。内容⇒試験制度、難易度、勉強時間、短期合格の方法

公認会計士試験と簿記1級の範囲④まとめ

ここまで読んでいただきいかがでしたでしょうか?

 

この記事で書いたことは以下です。

・簿記1級の商業簿記・工業簿記と公認会計士試験の財務会計論・管理会計論はどちらも会計の隅から隅までを範囲としているので、範囲はほとんど同じ

・でもよく出題される問題や問題の難易度には大きく差があるので、公認会計士試験の方が圧倒的に難しい

・簿記1級を取ってから公認会計士試験を受けるのは回り道。公認会計士試験の勉強をやれば簿記1級は取れるので、公認会計士を目指すつもりの人は、最初から公認会計士試験の勉強を始めるべき

こんな感じです。

 

また、ここまでいろいろ書きましたが、予備校に入ってしまえば試験範囲は間違いなく網羅されます。以下の記事公認会計士の5大予備校を比較してますので、よかったら参考にしてください。

公認会計士予備校を徹底比較【完全まとめ】

公認会計士試験用の予備校を検討している人向け。内容⇒CPA会計学院,TAC、大原、LEC、クレアールという5つの予備校をあらゆる面で比較しています。

また、独学での合格を目指している方向けには、以下の記事で、独学で合格した筆者が実際に使った教材を全て公開していますので、よかったら参考にしてください。

独学合格者の公認会計士テキスト完全まとめ【全て公開してます】

公認会計士試験の独学用テキストを探している方向け。内容⇒独学合格者の使った教材全て公開、全ての教材の解説、科目ごとの勉強法

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