公認会計士試験を目指すか悩んでいる社会人「公認会計士を目指そうかと思うが、公認会計士試験に合格するにはどれくらいの勉強時間が必要なんだろう?そもそも働きながら公認会計士試験には合格できるんだろうか?」
この記事ではこういった疑問に答えます。
こんな人向けの記事です
公認会計士を目指そうか悩んでいる社会人
公認会計士試験合格に必要な勉強時間を知りたい人
この記事の信頼性
この記事の筆者は、働きながら独学で2年の勉強期間で公認会計士試験に合格しています。
目次
社会人が公認会計士になる勉強時間①公認会計士試験とは?
公認会計士試験の仕組み
公認会計士試験に合格するための勉強時間を解説する前に、まずはそもそもの公認会計士試験制度を説明していきます。
公認会計士になるまでの流れをざっくり説明すると以下のようになります。
①短答式試験(1次試験)
②論文式試験(2次試験)
③会計に関する職業に就職(8~9割の人が監査法人に就職)
④2年間の実務経験&3年間補修所の講習を受ける
⑤終了考査(3次試験)
⑥終了考査に合格し、晴れて公認会計士として認定される。
こんな感じです。
最後の終了考査に合格してやっと公認会計士として認められるのですが、
終了考査を受けるためには「2年以上の会計に関する業務経験」が要件となっています。
ですので、論文式試験合格後に、会計に関する職業に就職する必要があり、
ここで8~9割の人が監査法人という法人に就職するのですが、
この監査法人がとても給料が良いです。
また、終了考査は受験者の5~7割が合格する、つまりほとんどが合格できる試験です。
ですので、論文式試験(2次試験)に合格するまでを一旦のゴールと考えていただいて問題ありません。
一般的にも公認会計士試験の受験というと、この論文式試験までを言います。
ですので、この記事でも論文式試験合格までの勉強時間について解説していこうと思います。
社会人で公認会計士を目指す方法(予備校か独学か)
公認会計士試験を目指す方法は予備校に入るのと独学の2つの方法があります。
私は独学で合格したのですが、一般的には9割以上の方が予備校に入ります。
予備校は、働きながら通えるものなの?
社会人の方はみなさんこう思われると思います。
結論から言うと、
通うのは難しいので、予備校の通信コースにすべきです。
予備校も大学のようにカリキュラムがあり、そのコースによって異なるのですが、やはり通学コースの方は集3日以上は通うことになります。
ですので、社会人の方はなかなか通うのは難しいし、通学時間がもったいないと思います。
それより予備校には通信コースがあるのでそちらがおすすめです。
通信でも、授業はWEBやDVDにて視聴できます。
また、講師への質問等のフォロー体制も整っている予備校が多く、通信だからと言って通学より不利になるといったことは全くありません。
公認会計士予備校は大きい所でいうと5つあります。
その比較は以下の記事にまとめてますので、よかったら参考にしてください。
公認会計士試験用の予備校を検討している人向け。内容⇒CPA会計学院,TAC、大原、LEC、クレアールという5つの予備校をあらゆる面で比較しています。
もちろん、独学合格も不可能ということは全くありません。
むしろ、自分で勉強のスケジュールを立てられる方なら独学の方がいいと私は思っています。
つまり
しっかりと授業を受けて予備校のカリキュラムで勉強を進めたい人→予備校
自分で勉強計画を立てて自分のやり方で勉強を進めたい人→独学
予備校か独学かは上のように決めればいいと思います。
社会人が公認会計士になる勉強時間②合格までの勉強時間
合格までの勉強時間ですが、一般的に3000~5000時間と言われています。
具体的なイメージは以下のような感じです。
例)大学を卒業して勉強に専念するタイプ
(仕事や学校はないので、毎日8.5時間勉強する。)
一日8.5時間 × 365日 = 3102.5時間(1年間の勉強時間)
⇒1~1.5年で合格が狙える。
例)仕事や大学に通いながら勉強するタイプ
(平日は仕事・大学の後なので3時間、休日は8時間勉強する)
(平日3時間 × 5日) + (休日8時間 × 2日) =31時間(1週間の勉強時間)
31時間 × 52週間 =1612時間(1年間の勉強時間)
⇒2~3年で合格が狙える。
こんな感じです。
私は上記の2番目の例のような勉強時間で2年で合格しましたので、この3000~5000時間という合格までの勉強時間はかなりリアルだな~と感じています。
科目別などの詳細な勉強時間ンは以下の記事にまとめていますので、よかったら参考にしてみてください!
公認会計士になるための勉強時間が知りたい人向け。内容⇒公認会計士になるための勉強時間、科目ごとの勉強時間、短期合格の方法。
社会人が公認会計士になる勉強時間③社会人の勉強法
さて、それではここからは働きながら公認会計士試験に合格する勉強法を解説いたします。
公認会計士試験に合格するためには上記のとおり3000~5000時間の勉強時間が必要です。
では、3000~5000時間勉強すれば社会人でも合格できるのかというと、そうではないです。
社会人の方の場合、勉強時間の確保が難しいと思いますが、勉強時間が少ないと、全ての範囲を1周勉強するのにとても時間がかかってしまいますので、勉強を進めていても以前に勉強した範囲の知識を忘れていってしまいます。
例 1から10に向かって勉強を進めていく。
勉強時間がたくさんある人→1から10までの勉強を1か月で終えられるので、しっかり記憶できる
勉強時間が少ない人→1から10までの勉強に3か月かかるので、10を勉強しているころに1の知識を忘れてしまう。
これでは何時間勉強しようが、知識が頭に定着せず、いつまでも合格できません。
ですので、働きながら合格するためには効率的な勉強法を実践する必要があります。
では、その効率的な勉強法とはどのようなものか。
私は以下のような勉強法を実践いたしました。
①テキストに書き込む(ノートにはまとめない)
理由→ノートにまとめると時間がかかるから。
②全科目を並行して進めていく
理由→一つの科目に集中して勉強すると他の科目の知識を忘れていくから
③早い段階から模試(もしくは答練)をやる
理由→範囲全体を復習できるから
この中でも特に大事だと思うのは、③の「早い段階から模試(もしくは答練)をやる」です。
なぜなら、社会人は上記のとおり勉強時間が少ないので、結構前に勉強した範囲は忘れていってしまいますが、
模試(答練)をやれば範囲全体を一気に復習できます。
最初のうちは模試は難しくてなかなか解けないと思うのですが、効率的な勉強法ですので是非実践してみてほしいです。
この勉強法の詳細は以下にまとめてますので、よかったら参考にしてください。
ちなみに私が独学で合格した勉強法は以下にまとめていますので、よかったら参考にしてください。
公認会計士試験の効率のいい勉強法を知りたい人向け。独学で合格した筆者が解説。内容⇒公認会計士試験でやってはいけない勉強法と効率的な勉強法を紹介。
おすすめの予備校
先に結論
おすすめはCPA会計学院。理由は通信コースのサポート体制が一番充実しているから。値段が気になるならLECもあり!
先に結論
おすすめの予備校はCPA会計学院。理由は①合格者数が圧倒的に多いから②質問へのフォローも充実しているから。
値段が気になるならLECもあり!
ここでは、おすすめの予備校をご説明いたします。
私が予備校を評価するうえで重要視している点は以下です。
・教材はわかりやすいか
・授業はわかりやすいか
・通信コースに対するフォロー体制
・デジタル対応
教材・授業のわかりやすさは当然ですが、こちらからの質問にしっかり答えてくれるかというのは、とても重要な点の一つだと思います。質問しても疑問が解決しなかったり、なかなか質問できない環境だと勉強の効率が落ちるので。
また、予備校に入っても学習の中心は自習になりますので、自習のしやすさ(いつでもどこでも学習できるか)と言う意味で、デジタル対応も重要な点の一つです。教材や授業がネットで見れたり、ネットから質問ができると勉強の効率が上がります。
また、学生や勉強に専念している方より勉強時間が限られる社会人の方には、やはり通信がおすすめです。理由は通学時間が省略できることと、通信のサポート体制が整っている予備校なら、通信でも通学と比べて差がほとんどないからです。
これらの点から、私がおすすめする予備校はCPA会計学院です。正直、今入学するならこの予備校一択です。また、コスパ面を重視するならLECです。
おすすめの予備校①CPA会計学院
受講料 | 60~85万 |
直近の合格者数 | 786名 |
校舎の数 | 5校 |
CPA会計学院のメリットは以下です。
驚異的な合格者数
教材・講師の質の高さ
デジタル対応が最も進んでいる予備校
通信のサポート体制が予備校の中で最も充実している
驚異的な合格者数
CPA会計学院(通称:CPA会計学院)は2023年の合格者数トップの公認会計士予備校です(2023年 合格者数786名 合格者占有率50.9%)。
公認会計士試験の予備校は、TACと大原が昔からの大手で、2015年ほどまではこの2校で合格者の大半を独占していました。
そこに近年急成長したのがCPA会計学院で、2021年に合格者数でトップに立ち、今では合格者占有率50.9%と合格者の半分を輩出しています。
これだけ急成長した理由としては、講師の質の高さ、教材の質の高さ、サポート体制の充実が挙げられます。詳細を以下で解説していきます。
有名講師陣
CPA会計学院は数年前に他の予備校から有名講師を引き抜いており、講師の方はみなさん公認会計士会では有名な講師です。ですので、授業の質はとても高いです。
また、CPA会計学院にはチューターという制度があるのですが、こちらもとても評判がいいです。チューターとは前年に公認会計士試験に合格した方達のことで、大学在学中に合格した方が中心のようです。
CPA会計学院の校舎には講師だけでなく、このチューターが常駐しており、生徒の質問対応をしています。前年に実際に合格しているチューターの方々は知識が新鮮ですし、自分が抱えているのと同じような悩みを必ず経験しているはずなので、そんなチューターの方々に質問できるのは、とても有意義だと思います。
教材の質の高さ
CPA会計学院の教材はとても質が高いことで有名です。私も実際にCPA会計学院の教材を使ったのですが、とても良い教材でした。教材が分かりやすく書いてあることは当然として、私が非常に助かったのが、CPA会計学院の教材には、範囲ごとにA~Cの重要性が書いてあることです。
公認会計士試験の範囲の中には、ほとんど本番で出題されないので捨てるべき部分としょっちゅう出るので重点的に勉強すべき部分があります。A~Cの重要性はその判断に使え、それは学習の効率をグンと上げてくれます。
また、この重要性は答練や模試にも書いてあるので、実際の試験で「難しいので捨てるべき問題を捨てる練習」にも使えます。公認会計士試験では「難易度が高すぎて、解こうとするととても時間がかかるし正答率も低いので捨てるべき問題」が毎年必ず出題されます。
問題を解く練習も大切ですが、問題を捨てる練習も同じくらい大切です。その練習ができるのはとても助かります。
デジタル対応
CPA会計学院は大手予備校の中で最もデジタル対応が進んでいます。具体的には以下のようなデジタル化が図られています。
・全ての教材がwebでも読める。(もちろん紙媒体の物ももらえます)
・講義は全てwebでも受講できる
・講義は音声データ版もある(電車や寝るときにイヤホンで講義を聴ける)
ここまでデジタル化されていますので、いつでもどこでも勉強できます。勉強は電車やカフェでも勉強したいという方にとって、これはとても助かると思います。
通信のサポート体制
CPA会計学院の強みとして校舎に講師が常駐しているので、いつでも質問できると記載いたしましたが、CPA会計学院は通信コースの方も講師・チューターに質問できます。
その方法は電話・メール・Zoom・バーチャル校・対面と全ての質問方法がそろっていますので、通信でもわからないところはすぐに質問できます。
また、授業は上記のweb講義を視聴でき、教材は紙の物とデジタル教材の両方をもらえますので、通信と通学の差はほとんどないと思います。
まとめ
これら以外にも、CPA会計学院は公認会計士専門の予備校である、綺麗な自習室がある、女子専用自習ブースがあるなど環境が整いまくってます。
正直、本気で合格を目指すならCPA会計学院に入っておけば間違いないです。
CPA会計学院に入るなら、無料授業体験がついてくるので、まずは資料請求がおすすめです。
おすすめの予備校②LEC
受講料 | 45~55万 |
直近の合格者数 | 非公開 |
校舎の数 | 29校+提携校 |
LECのメリットは以下です。
受講料が安い
企業法に強い
まずは確実に短答式に合格しに行くカリキュラム
最低限のフォロー体制・デジタル対応は整っている
受講料が安い
LECのメリットは何といっても受講料の安さです。大手3校(CPA会計学院、大原、TAC)の受講料が、コースにもよりますがだいたい75~85万円ほどであるところ、LECは45~55万円ほど、短答式までのコースなら278,000円となっております。
「安いんなら、その分質も落ちるんじゃないの?」
このように思う方もいらっしゃると思いますが、それほど他の予備校と変わりません。私は全ての予備校のテキストを読んで比較したのですが、テキストも他と大して変わりません。また、以下に記載しているようなLECならではの強みもたくさんあります。
企業法に強い
LECは法律系の資格に強い予備校です。ですので、LECは企業法にとても強いんです。
その最たる例としては、本試験問題の的中があります。
公認会計士論文式試験では2018年と2019年はかなり癖のある問題が出題されました。これは企業法が得意の受験生でも簡単には正答できない問題で正答率はとても低くなりました。しかし、LECはこの問題を直前答練で出題していたんです!2019年試験に関しては大問4問中3問的中という驚異的な的中率を見せました。
その結果、それらの難題を他の予備校生が落としたのに対し、LEC生は多くが正答し、企業法の偏差値でLEC生が他の予備校生に大きく差をつけました!
これは、司法試験や司法書士などの法律系資格に強いLECならではの強みだと思います。公認会計士試験は偏差値方式ですので、科目で平均点以上の得点を残すことができるととても大きいです。LECに入れば企業法で他の受験生に大きく差をつけ、合格に大きく近づけるかもしれません。
まずは確実に短答式に合格しに行くカリキュラム
公認会計士試験は短答式(1次試験)と論文式(2次試験)がありますが、通常、予備校では最初から短答式と論文式の知識の両方を教えておきます。
この学習カリキュラムは
「まずは短答式に集中して、確実に短答式に合格したい」
という考え方の人は、「論文式については短答式合格後から教えてほしい」と感じると思います。
私もそういう意見であり、短答式もとても難しいので、まずは確実に短答式に合格しに行くべきだと思います。ですので、このLECのカリキュラムは私はとても賛成です。
また、「まずはしっかり短答式に合格したい」という人は、まずはLECで短答式に合格し、合格後に他の予備校の論文式コースに移籍する、というのはかなり有効な戦略だと思います!(実際、この戦略をとる人は結構います)
フォロー体制・デジタル対応
LECのフォロー体制としては「教えてメイト・教えてチューター」という制度があります。教えてメイトは受講生同士で質問しあえる機能で、教えてチューターはチューターの方に質問できる機能です。
どちらもオンラインから利用できるようなので、通信の方も質問は通学生徒同じようにできるようです。
また、デジタル体制としては、通信コースの方はスマホ・タブレットで授業の動画・音声データがダウンロード可能です!これを利用することで、通信の方はいつでもどこでも授業を見れます。
ただ、データ版の教材は無いようですので、教材は紙面の物のみです。
まとめ
ここまで書いたように、LECはとても安いですが、大手とほとんど変わらない予備校です。
コスパを重視する方にはLECがおすすめですので、LECに興味を持った方は是非以下のHPからお申し込みください。
社会人が公認会計士になる勉強時間 まとめ
この記事では社会人が公認会計士試験に合格するまでの勉強時間について記載いたしましたが、いかがでしたでしょうか?
会計士試験はとても範囲が広く、難しい論点もたくさんあるので、多少会計に触れたことのある方でもやはり合格までは3000~5000時間の勉強時間が必要だと思います。
ですので、働きながらの勉強で合格するためにはやはり効率的な勉強法は必須だと思います。
勉強時間については以下の記事で科目別で詳細に解説していますので、よかったら参考にしてください。
公認会計士試験の科目別の勉強時間を知りたい人、公認会計士試験に短期合格したい人向け。内容⇒簿記、財務会計論、管理会計論、監査論、企業法、租税法、経営学の勉強時間etc。この記事を読めば、公認会計士試験のどの科目にどれだけの時間を書ければいいのか、どのように勉強すれば勉強時間を短縮できるのかがわかります。